探偵コラム

連れ去り・親権

2025.8.2

【France24取材記録】連れ去り別居は共同親権で解決?探偵が子どもの幸せのためにできること

この度、MJリサーチは、France24(フランスの国際ニュース専門チャンネル)から、日本における「片親による子どもの連れ去り」問題について取材を受けました。

日本では、妻が子どもを連れて家を出ていく「連れ去り別居」が多発しています。MJリサーチでは「連れ去り別居」に直面した父親からのご相談や調査依頼を数多く受けてきたので、取材では過去の調査内容を中心に話をしました。
「連れ去り別居」は夫婦間の問題として捉えられがちですが、最も深刻な影響を受けるのは子どもです。「子どもが元気にしているか確認してほしい」という依頼を受けて子どもを撮影するとき、レンズ越しに子どもの悲痛な心の声が聞こえるような気がすることもあります。

今回は、France24の取材内容に補足の説明を追加しながら、連れ去り別居に関する調査の内容や、共同親権が連れ去り別居問題の解決策となる可能性、探偵が子どもの幸せのためにできることなどについて解説します。

連れ去り別居とは

連れ去り別居とは、夫婦の一方が配偶者の同意を得ずに子どもを連れ去り、別居することをいいます。離婚問題や、夫婦関係の悪化が要因となることが多く、母親が子どもを連れ去るケースがほとんどです。正当な理由なく子どもを連れ去った場合、未成年者略取や誘拐罪などの刑事責任を問われる可能性もあります。
連れ去り別居問題は国際的にも注目されています。日本人と外国人の間に生まれた子どもが、片方の親に連れ去られた場合、国境を越えた問題としてさらに複雑化します。
France24の記者によると、フランス語には「連れ去り別居」を意味する言葉はなく、一番近いのは「拉致」だそうです。たしかに、子どもを連れ去られた側からみれば、子どもを拉致されたのと同じ状況だといえるでしょう。

探偵の視点から見た連れ去り別居問題

France24の取材内容に補足説明を加えながら、探偵の視点からみた連れ去り別居問題について解説します。

いつ頃から連れ去り別居問題に関する調査依頼を受けているのか?

「連れ去り別居」という言葉が一般的に知られるようになったのは約10年前のことですが、20年以上前から、同じ問題に遭遇した父親や親族から同様の相談や調査依頼を受けることはありました。
連れ去り別居問題が、広く認知されるようになった背景には、離婚率の増加や家族の在り方に関する意識の変化が関係していると考えられます。

どのような調査依頼が多いのか?

配偶者と子どもの所在調査

連れ去り調査内容と事例

配偶者・子供の所在

何も言わずに自宅に戻ったら配偶者と子供が居なくなっていた。
連絡もつかず、どこにいるのか分からない。
子供のことが心配なので、どこにいるのか知りたい。

1

DVによる別居なのか
または警察への捜索願を提案
詳細なヒアリングを行い調査契約

2

対象の居場所を突き止め
お子さんの確認と居住先判明

3

同居人などを判明し
配偶者とお子さんの所在を報告

ある日突然、妻が子どもを連れて家を出てしまって連絡が取れないというケースでは、妻と子どもがどこにいるのか調べてほしいという依頼が多いです。
この場合、まずは依頼者がDV加害者である疑いがないかを確認する必要があります。DV加害者から調査を受任すると、奥さまと子どもに被害が及ぶ危険性があるからです。探偵業法では、このような人の生活の平穏を害する調査の受任は禁止されています。
具体的には、まず依頼者が警察に捜索願を出したかを確認し、まだ出していない場合は、警察に捜索願を出すよう促します。警察は、DVの加害者である可能性がある場合は捜索願を受理しないので、警察が捜索願を受理したことを確認してから依頼を受けるようにしています。

子どもの生活状況を確認するための調査

連れ去り調査内容と事例

お子さんの生活状況の確認

連れ去りにより、お子さんの成長や教育環境
いじめや不登校などが心配
長年子供の顔さえ見ていないので写真だけでも欲しい。

1

別居先からお子さんの
素行・尾行調査を行う

2

通学や休日の行動
いじめや不登校などを調べる

3

お子さんの近況を調査
成長したお子さんの
顔などを撮影

奥さんと子どもの居場所はわかっているけれど、子どもに会わせてもらえないというケースでは、子どもがどのような生活を送っているのか確認したいという依頼が多いです。子どもの祖父母にあたる方から依頼を受けることもあります。
このようなケースでは、奥さんと子どもが暮らす家、または子どもが通う学校から尾行をして子どもの様子を撮影します。MJリサーチでは、高性能のカメラと特殊な機材を使用して、遠い場所から誰にも気づかれずに子どもの表情まで鮮明にわかる写真や動画を撮影することが可能です。元気に学校に通っているのか、いじめや不登校などの問題が起きていないかなどを確認することもできます。
子どもの様子を写した写真とそのときの様子を時系列に並べた報告書を提出すると、「元気に暮らしているみたいでよかった」と安堵されるご依頼者様もいらっしゃいます。

一番印象に残っている調査は?

連れ去り調査内容と事例

虐待・ネグレクトの証拠を押さえ
子供の親権を獲得を有利に進める

別居先にて配偶者または同居人(浮気相手を含む)からの
お子さんへの虐待・ネグレクト(育児放棄、教育放棄)
があるかの確認調査を行い

1

DVによる別居なのか
または警察への捜索願を提案
詳細なヒアリングを行い調査契約

2

対象の居場所を突き止め
お子さんの確認と居住先判明

3

同居人などを判明し
配偶者とお子さんの所在を報告

一番印象に残っているのは、「子どもの親権を獲得したい」という男性からの依頼を受けて実施した調査です。依頼者様の奥さまは、「子どもと一緒に実家で暮らす」と言って家を出たそうですが、依頼者が妻の実家に行ってみたところ、いないようだったので、まずはどこで暮らしているのか調べてほしいという依頼を受けました。
調査を実施したところ、実家にはたまに荷物を取りにくる程度で、奥さまと子どもは別のアパートで暮らしていることがわかりました。アパートには、特定の男性が出入りしており、小学生の子どもを一人アパートに残したまま、母親が男性と二人で深夜まで過ごしている様子も撮影できました。離婚が成立する前だったので、母親は不貞行為をしていたことになります。奥さまは依頼者に「性格の不一致で離婚したい」と言っていたそうですが、その裏には浮気相手の男の存在が潜んでいたのです。
このケースでは、母親が子どもを一人アパートに残して深夜まで男と過ごしている様子、子どもがアパートの庭で日が落ちるまで一人で遊んでいる様子などを撮影した写真を時系列に並べて、そのときの様子を詳しく記載した調査報告書を提出しました。その後、依頼者から、調査報告書を裁判所に提出して、無事に親権を獲得できたという報告をいただきました。 MJリサーチでは、このように離婚調停や裁判などで証拠能力を持つ写真を撮影して報告書としてまとめることが可能です。親権争いを有利に進めるためには客観的な証拠が必要なので、弁護士から紹介されて相談にくる方もいらっしゃいます。
実際、母親が別の男性と交際を始めて、家事や育児が疎かになるというパターンは多いです。エスカレートすると、児童虐待の一つである育児放棄(ネグレクト)につながる可能性もあるので、子どものためにも早めに対処することが大切です。

共同親権は連れ去り別居問題の解決策になる?

2024年5月に成立した改正民法により、選択的共同親権の導入が決まりました。選択的共同親権とは、夫婦が離婚する際に、話し合いによって単独親権か共同親権かを選択できる制度です。共同親権の導入は、連れ去り別居問題の解決策となるのでしょうか。
単独親権制度における親権の状況、共同親権の導入により連れ去り別居問題が解決する可能性について説明します。

単独親権制度で母親が親権を持つ割合は8割以上

日本では、夫婦が離婚した場合に片方の親が親権を持つ単独親権制度が長年採用されていました。単独親権制度では、母親が親権を持つケースが圧倒的に多く、政府統計ポータルサイトe-Statが公開している2022年度のデータによると、妻が親権を持つ割合は子どもの数が少ないほど高く、平均は85.9%でした。

子どもの人数
妻が親権を持つ割合
1人
88.0%
2人
85.0%
3人以上
81.5%
平均
85.9%

共同親権の導入により連れ去り別居問題が解決する可能性

共同親権の導入により、連れ去り別居問題が解決する可能性はあるのでしょうか。

自分で対処できない場合の相談先は?

共同親権は、離婚後も両親が協力して子どもを育てるための仕組みで、面会交流などを巡る夫婦間の争いを軽減する効果も期待されています。離婚する際に共同親権を選択した場合、離婚後に片方の親が子どもに会えずに疎遠になるという問題は解決されるかもしれません。
しかし、共同親権を選択するかどうかは、夫婦間の協議で決める必要があり、片方が単独親権を希望した場合は、家庭裁判所の判断で決まります。そのため、必ずしも希望通りに親権を獲得できるとは限りません。また、共同親権を選択しても、離婚後に両親が良い関係を築けない場合、子どもが板挟みに合い、つらい思いをする可能性があります。

離婚前の連れ去り別居問題の解決にはならない

共同親権は、離婚前には適用されないので、離婚前の連れ去り別居問題の解決策にはなりません。実際、離婚前に母親が子どもを連れて家を出てしまうケースは非常に多く、残された父親は、妻と子どもの居場所さえわからず、連絡も取れないという深刻な事態に陥ることも少なくありません。

探偵が連れ去り問題の犠牲者である子どものためにできること

連れ去り問題の解決策を考える際は、子どもの幸せを第一に考えることが重要です。探偵は、子どもの幸せのために、どのようなことができるのでしょうか。

真実を明らかにして子どもの心の声を代弁

探偵は、高度な調査スキルを駆使して、子どもが現在置かれている状況を記録し、客観的な証拠として提出することが可能です。例えば、長時間にわたり子どもが家に一人で置き去りにされているという事実を時系列に記録した調査報告書は、子どもが安心して過ごせる家庭環境ではないという客観的な証拠になります。このような証拠は、親権争いの際、子どもの福祉を守るための重要な資料として役立ちます。
また、高性能なカメラと撮影技術を用いて、子どもの表情を鮮明に撮影することも可能です。実際、連れ去り問題に関する調査で子どもを撮影していると、レンズ越しの寂しそうな表情から、子どもの悲痛な心の声が聞こえてくるような気がすることがあります。子どもは、本当は両親と一緒に家族で仲良く暮らしたい、けれど本当の気持ちを両親に伝えることができないのではないでしょうか。
私たちは、子どもの心の声を代弁したいという思いで調査を行っています。写真や動画の撮影を通じて、子どもの親である依頼者に、子どものありのままの姿を伝えて、真実を知ってもらうことが私たち探偵の役割だと考えています。

夫婦関係修復に向けたサポート

2021年1月に、未成年時に父母の別居・離婚を経験した20 代~ 30 代の男女を対象として法務省が実施した「未成年時に親の別居・離婚を経験した子に対する調査」によると、「あなたは、父母が別居を開始する前に、父母が不仲になっていることについて、どのように感じていましたか」という質問に対して、30.4%が「仲直りしてほしい」、24.3%が「家族がバラバラになってしまう」と回答しています。多くの子どもは、「両親が仲直りして家族で仲良く暮らせたらいいのに」「家族がバラバラになってしまうのは悲しい」と思っているのです。
家族で仲良く暮らしたいと願うのは、子どもだけではありません。連れ去り別居問題で相談に来られるご依頼者様の中には、夫婦関係の修復を希望されている方もいらっしゃいます。
しかし、一方的に子供を連れ去った妻との関係修復は現実的に困難な状況だというケースも多いです。そのような場合でも、経験豊富な第三者が介入することにより、奥様に考えを改めてもらえる可能性があります。
MJリサーチは、「トータルライフケア」を経営理念に掲げ、ご依頼者様が本当に望む未来を実現するためのアフターフォローに力を入れています。連れ去り別居問題に関しては、連れ去り問題の支援団体、夫婦カウンセラー、親権問題に精通した法律の専門家などと、必要に応じて連携しながら、質の高いアフターフォローを提供しています。

まとめ

今回は、France24の取材内容に補足の説明を追加しながら、連れ去り別居に関する調査の内容や、共同親権が連れ去り別居問題の解決策となる可能性、探偵が子どもの幸せのためにできることなどについて解説などについて解説しました。 連れ去り別居問題は、夫婦関係の悪化が要因となっているケースがほとんどですが、最も深刻な影響を受けるのは子どもです。親として大切な我が子を守るためにも、早めに適切な対処を行うことが大切ではないでしょうか。 子供の居場所や生活状況を確認したくても自分の力では困難だという場合、連れ去り別居問題に精通した探偵社に相談することをおすすめします。ただし、子供の連れ去り問題に積極的に取り組んでいる探偵社は少ないので、相談先は公式サイトなどで実績を確認した上で、実際に相談し、慎重に選ぶようにしてください。 MJリサーチでは、「妻が子供を連れて家を出てしまい、どこにいるのかわからない」「妻が子供と一緒に実家で暮らすという置き手紙を残して出ていったけれど、妻の実家には妻も子どももいなくて、どうすれば会えるのかわからず困っている」などというご相談や調査の依頼を数多く受けてきました。 こちらの記事では、MJリサーチが実際に行った調査事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

MJリサーチは、連れ去り別居問題でお悩みの方を全力でサポートしたいと考えております。カウンセリングは無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
探偵 若梅

MJ リサーチ綜合探偵社 取締役

探偵調査員歴20年以上/常人逮捕協力、刑事事件協力、探偵相続診断士・夫婦カウンセラー
テレビ「NHK東海ドまんなか!゛頂き女子事件の深層”」、フランス公共放送「france24」出演、ラジオ、メディア取材多数


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