「職場でパワハラを受けているけれど、パワハラの事実を示す証拠がない場合はどこに相談すればいい?」
「上司と二人きりの時に太ももを触られるなどのセクハラを受けた場合、セクハラの内容をメモするだけでも証拠として認められる?」
「ハラスメント被害の決定的な証拠を残すために、上司の暴言を録音したいけれど、相手に黙って録音しても大丈夫?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
弊社も、「職場の上司から執拗な嫌がらせを受けているけれど、証拠がないので、証拠の集め方を教えてほしい」などという相談を受けることがあります。
今回は、ハラスメントの証拠がない場合のリスク、客観的な証拠を集める方法と注意点、適切な相談先、調査のプロに相談するメリット、相談した場合の流れと費用などについてまとめて解説します。
ハラスメントの証拠がない場合のリスク
職場で上司や同僚などからハラスメントの被害を受けているけれど、証拠がない場合、人事部や職場内の相談窓口などに相談するべきか、このまま耐えるべきか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
証拠が残っていない場合、どちらを選択してもリスクがあります。具体的にどのようなリスクがあるか説明します。
加害者が認めない可能性が高い
パワハラやセクハラなどのハラスメント行為の証拠を持たずに会社の人事部などの相談窓口に相談した場合、会社側は事実確認を行うために加害者から話を聴くことになります。
その際、加害者がハラスメントの事実を認めて、「私が悪かったです。このような発言や行動は二度としません。」と反省して翌日から態度を改めてくれると状況が改善しそうですが、実際にこのような理想的な展開になることはほとんどありません。
加害者の多くは、自分がハラスメント行為をしたことを認めません。「仕事のミスを指摘しただけです。」「〇〇さんの勘違いだと思います。」などという言い訳をする方も少なくありません。本人にハラスメント行為をしたという自覚がないケースもあります。
加害者がハラスメントの事実を認めず、証拠も残っていない場合、会社側は、正確な事実認定をすることが難しくなります。会社側が加害者の言うことを信じた場合、誤った事実認定をされて、ハラスメント行為がなかったことにされてしまう可能性もあります。
セカンドハラスメントにつながるリスクも
証拠を持たずに職場内のハラスメント相談窓口や人事部に相談した場合、セカンドハラスメント(セカハラ)の被害に遭うおそれもあります。セカンドハラスメントとは、ハラスメントの被害者が被害について相談することにより発生する二次被害のことをいいます。
例えば、職場内の相談窓口に相談した際に以下のような対応を受けるケースがあります。
- 上司から受けたセクハラ被害について相談したら、「気にしすぎなのでは?〇〇さんはあなたとコミュニケーションを取りたかっただけだと思いますよ。」と言われる
- 先輩から受けたパワハラ被害を訴えたら、「〇〇さんはそんなことをするはずないと思います。あなたの思い過ごしなのでは?」と言われる
反論できずに誤解されたままだと、「あの人は被害妄想が強いモンスター社員だ」などと決めつけられるおそれもあります。また、社内の相談窓口では守秘義務が疎かになっているケースも珍しくありません。この場合、被害者がハラスメント被害を会社に訴えたことを加害者が知って逆上し、ハラスメント行為がさらにエスカレートする危険性もあります。
このように、客観的な証拠を持たずに社内の相談窓口に相談した結果、セカンドハラスメントを受けることになり、被害者は余計に傷つく可能性があるのです。
7>
うつ病などの精神疾患を発症するリスク
証拠がないままハラスメントの被害を訴えても解決にはつながらないと諦めて、ひたすら耐えるという選択をされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、職場で過ごす時間は長く、耐え続けていると、大きなストレスを受けることになります。我慢を続けることにより、不眠症やうつ病などの精神疾患を発症するリスクもあります。
うつ病を発症した場合、完全に治癒するために長い休養期間を要するケースも少なくありません。中には、長期間に渡り休職と復職を繰り返し、社会復帰が難しくなるケースもあります。
7>
自殺という最悪の結果を招くケースも
うつ病の典型的な症状として知られる希死念慮により、自殺という最悪の結果を招くこともあります。希死念慮とは、「死にたい」と強く願うことや、「もう死ぬしかない」と思い詰めてしまう精神症状のことです。希死念慮は、うつ病の初期から現れることもあるため、本人が精神疾患の疑いに気づく前に自殺に至る可能性もあります。
厚生労働省が公表している令和3年版過労死等防止対策白書によると、2012年4月~2018年3月に労災認定された自殺事案497件のうち、47.3%は精神疾患の発症から6日以内に死亡しており、64%は医療機関の受診歴がなかったそうです。つまり、半数以上の方は、ご自身の精神疾患を改善するために医療機関を受診することなく、自ら死を選んでしまったということになります。
客観的な証拠を集める方法と注意点
ハラスメントの証拠が残っていない場合のリスクについて説明しましたが、このようなリスクを回避して自分自身を守るためには、収入を確保しながら必要な休養を取ることが大切です。十分に休養が取れたら、ハラスメントの事実を立証するための客観的な証拠を集めた上で、適切な機関に相談するとよいでしょう。
まずは収入を確保しながら必要な休養を取り、可能な範囲で証拠を集める方法について説明します。
精神科や心療内科を受診して傷病手当金を申請
職場でハラスメントの被害に遭って、少しでも精神的なダメージを感じているなら、まずは精神科や心療内科で診察を受けて、必要に応じて休養を取りましょう。精神科や心療内科に行くことに抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれませんが、自分自身のメンタルヘルスを守るためにも、診察を受けて必要に応じて休養を取ることは非常に大切なことです。睡眠障害などの症状が出ている場合だけではなく、少しでも「会社に行くのが辛い」と感じているなら、躊躇せずに受診しましょう。薬物療法による副作用が心配だという方は、薬物療法以外の治療を行っている医療機関を選ぶ、または薬物療法以外の治療を希望している旨を担当医に伝えるとよいでしょう。
医師に自分が受けたハラスメントの詳細と精神的なダメージを伝えて、診断書をもらうことで、傷病手当金の申請ができます。傷病手当金とは、休職中に健康保険組から給料の3分の2程度の額が支給される制度です。傷病手当金は、療養のため 4 日以上休業することが条件となっていますが、その起算日は初診の日となるため、メンタルヘルスの不調に気づいたら早めに医療機関に行くことをおすすめします。うつ病などの精神疾患は、早期発見・早期治療が大切なので、早めに傷病手当金を申請して収入を確保して、経済的な不安を軽減した上で休養を取ることを心がけてください。休養を取ることにより、ハラスメントの被害を回避しながら、今後の対応についてじっくり考える時間を確保できます。
精神科や心療内科の診断書は、労災申請や法的措置を取る場合の客観的な証拠としても重要な役割を果たすことが多いです。
メモなどに時系列でハラスメントの事実を記録
ハラスメントの証拠を残す方法として最も簡単にできるのは、ハラスメントの事実をメモに記録することです。「被害者が書いたメモの内容なんて、信じてもらえるのだろうか?」、「メモは簡単に改ざんできるし、客観的な証拠と言えないのでは?」などと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ハラスメント行為が行われた日時、場所、目撃者、行為の内容を詳細に記録したメモは証拠として認められる可能性があります。また、目撃者の証言や録音した音声等の他の証拠と組み合わせることにより、証拠能力を高めることも可能です。
在職中の場合は、ハラスメント行為を受けた直後に内容を記録できるよう、手帳とペンを持ち歩くことをおすすめします。帰宅後や週末などに、パソコンで、いつ、どこで、誰に、どのような行為(発言)をされたのかを、目撃者の氏名と共に記録しておくとよいでしょう。
休職中や退職後の場合は、思い出せる範囲でかまいませんので、ハラスメントの内容をできる限り具体的に書き出し、時系列にまとめてパソコンにファイルとして保管しておきましょう。
メールやチャット等のやりとりを保管
メール、チャット、LINEなどでのやりとりも、客観的な証拠として有効です。
パワハラの場合は「こんな簡単な作業に何時間かかってるんだ?」、セクハラの場合は「今日の服、胸のラインが強調されてセクシーだね」などというメッセージは、ハラスメント行為を立証する証拠となります。
社内メールの場合は、印刷する、個人のメールに転送する、スマホで撮影して保管するなどの方法で手元に保管しておきましょう。LINEやチャットの場合、画面キャプチャを取って保管するとよいでしょう。
ボイスレコーダー等を利用して音声を録音
暴言・発言によるハラスメント行為については、音声を録音することで客観的な証拠を残すことができます。
在職中の場合、小型のICレコーダーやペン型ボイスレコーダーなどを利用すれば、加害者に気づかれずに録音することも可能です。ただし、使い慣れていないと、録音操作をする動作が不自然で怪しまれてしまうかもしれません。相手に気づかれないようスムーズに操作するためには、事前に繰り返し練習しておくことが大切です。
動画を録画
会議室や移動中の車内など、目撃者が不在の状況で、手を握られる、太ももを触られるなどのセクハラ行為を受けている場合、その行為を動画で撮影することにより客観的な証拠を残せます。ペン型カメラ、腕時計型カメラなどを活用すれば、加害者に気づかれずに録画することが可能です。
相手の許可を得ずに録音や録画をすることは、盗聴・盗撮としてプライバシー侵害とされることが懸念されますが、ハラスメント行為を阻止する等の正当な目的のために必要最小限の範囲内で行う場合は適法とされるケースがほとんどです。
目撃者に証言を依頼
目撃者がいる場合は、目撃者に証言をお願いすることにより客観的な証拠を残すことが可能です。ハラスメントを受けた時に周りに同僚などの目撃者がいなかったか思い出してみましょう。証言をお願いすることで迷惑をかけてしまうのではと心配される方もいらっしゃるようですが、目撃者もハラスメントの加害者を告発したいと思っているかもしれません。普段、あまり交流がない同僚や先輩の中にも、証言してくれる人がいる可能性があるので、最初から諦めずに、勇気を出してお願いしてみましょう。
ハラスメント問題解決のための相談先
客観的な証拠を集めたら、適切な機関に相談しましょう。具体的な相談先について説明します。
社内の相談窓口や人事部
ハラスメントの被害を受けた際、相談先として真っ先に思い浮かぶのは、職場内のハラスメント相談窓口や人事部ではないでしょうか。
職場におけるいじめや嫌がらせが原因の個別労働紛争が急増する中、2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により相談窓口の設置などが義務付けられました(中小企業は2022年4月から適用)。そのため、ハラスメント相談窓口が設置されている企業は増えていますが、残念ながら会社の隠蔽体質や担当者の知識不足などにより、社内の相談窓口が実質的に機能していない企業は多いようです。
2021年6月、佐川急便で当時30代の男性社員が上司からのパワハラを受けて自殺するという非常に悲しい事件が起きました。この男性は直属の上司である課長から継続的にパワハラを受けており、自殺する前日には他の従業員の前で40分以上も怒鳴られ続けたとのことです。この男性がパワハラを受け続けていたことは周囲の従業員も知っていて、自殺の2か月前には、同じ営業所の社員を名乗る人物が社内の相談窓口に匿名で内部通報していたそうです。内部通報を受けて、社内で調査が実施されましたが、本人や同僚への聞きとりは行われず、加害者の上司への聞き取り調査のみで「パワハラに該当する事案は確認できなかった」と結論付けられていました。社内の相談窓口が機能しなかったために、パワハラの被害を受け続けた男性は自ら死を選ぶことになってしまったのです。
社外の公的な相談窓口
社内の相談窓口が機能しない可能性が高い場合は、社外の公的な相談窓口を利用しましょう。
厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」には、労働者のメンタルヘルス不調などに関する無料の相談窓口が設置されていて、SNS、メール、電話で相談することができます。
労災認定・法的措置を希望する場合は弁護士に相談
労災認定や法的措置を希望する場合は、労働問題に精通した弁護士に相談しましょう。
職場で受けたハラスメント被害により精神疾患を発症した場合、労働基準監督署に申請し、精神疾患と職場の業務との因果関係が認められれば労災認定を受けることができます。精神疾患と業務の因果関係を立証するのは難しいといわれていますが、最近は精神障害による労災請求件数の増加とともに、認定件数も増加傾向にあります。医師の診断書があれば因果関係を認めてもらえる可能性は十分あります。労災の申請には原則として事業主の証明が必要ですが、事業主の証明が得られなかった場合でも申請を受け付けてもらうことができます。
労災認定を受けた場合、労災保険により休業中の療養費などが補償されます。また、労災認定を受けることは、労働基準監督署が会社の業務と精神疾患の因果関係を認めたことを意味するため、法的紛争に発展した場合は会社側が不利な立場に立たされます。訴訟に発展した場合は、会社側が安全配慮義務違反に問われ、多額の損害賠償金の支払いを命じられる可能性もあります。そのため、弁護士を通して会社側と交渉した場合、会社側から「示談金の支払いで早期解決したい」などと提案されることもあるようです。
ただし、弁護士は証拠集めをすることはできないため、客観的な証拠が十分に揃っていない場合は証拠集めから始める必要があります。
証拠を集めたい場合の相談先は?
自分で十分な証拠を集めることができず、公的機関や弁護士に相談する前に客観的な証拠を確保したいという場合は、調査のプロである探偵社に相談して、証拠を確保するためのサポートを受けることをおすすめします。
ただし、職場のハラスメント問題に積極的に取り組んでいる探偵社は少ないので、相談先は公式サイトなどで実績を確認した上で、実際に相談に行ってご自身の目で見極めるなど、慎重に選ぶようにしてください。
ハラスメントの証拠集めをプロに依頼するメリット
職場のハラスメント問題に精通した探偵社に相談することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。具体的なメリットについて説明します。
社外のハラスメント行為の証拠を確保
飲み会やイベントなど、社外でハラスメントを受ける可能性が高い場合、事前に探偵社に依頼すれば、その場で証拠を確保してもらうことも可能です。
例えば、上司から強引に誘われる飲み会の席で、パワハラやセクハラを受けることが多い場合、探偵社の調査員がその場に潜入し、遠い場所から対象者に気づかれずに、対象者の言動を録画し、証拠として残すことができます。
高性能の録音や録画用の機材の販売やレンタル
職場内のハラスメントの実態を自分で録音または撮影したいけれど、相手に気づかれそうで怖いという場合、一般に販売されていない高性能の小型カメラやボイスレコーダーなどを販売または貸し出してもらうことができます。
探偵は普段から高機能の機材を駆使して、遠い場所から誰にも気づかれずに対象者の表情まではっきりとわかる写真や動画を撮影しているため、相手に気づかれずに録画や録音をするための操作方法やコツをレクチャーしてもらうことも可能です。
客観的証拠確保のためのアドバイスを受けられる
休職中や退職後で、録音や撮影ができないという場合でも諦めることはありません。職場のいじめやハラスメント問題に精通した探偵社は、そのような場合でも、目撃者にメール等で依頼をして証言をお願いする等、状況に応じた解決策をアドバイスすることが可能です。
プロに相談した場合の流れと費用
探偵社に相談した場合のカウンセリングから調査までの流れや費用は、相談先によって大きく異なります。
参考までに弊社にご相談いただいた場合の基本的な流れと費用について説明します。
カウンセリングから報告書提出まで
弊社の公式サイトの無料相談電話、メール、LINEなどからご連絡をいただいた場合、その後は基本的に以下のような流れで進行します。
まずは、専任カウンセラーによるカウンセリングを行い、ご依頼者様の現状やご希望について整理させていただきます。オンラインでのカウンセリングをご希望の場合は、Zoomなどを利用して行います。
現在の状況や法的措置等に関する希望などにより対応は異なるため、ご依頼者様の現状、ご希望の対応内容、法的措置等のご希望などについて丁寧にお伺しています。
カウンセリングでお伺いした依頼者様の現状とご希望を踏まえて、対応内容をご提案し、お見積もりを提示させていただきます。対応内容や料金についてのご不明点がある場合、ご質問いただければ丁寧に回答させていただきます。
また、ご予算が限られている場合は、ご予算に応じて対応内容をカスタマイズし、費用を調整することも可能です。
対応内容と調査料金にご納得いただけましたら、探偵業法で定められた契約書を交わし、契約させていただきます。
調査が必要な案件の場合、経験豊富な調査員が必要に応じた人数でチームを組み、連携を取りながら、質の高い調査を実施します。ご依頼者様のご希望により、調査の進捗状況について中間報告をさせていただきます。
相手に気づかれずに証拠を確保するためのボイスレコーダーや小型カメラ等の機材のレンタルのみの場合は、操作方法を丁寧にレクチャーさせていただきます。
対応が完了した後、ご依頼者様のご希望に応じて、問題や課題の解決に向けたアフターフォローを行います。弊社は、「トータルライフケア」を経営理念に掲げ、ご依頼者様が本当に望む未来を実現するためのアフターフォローに力を入れています。
職場のいじめやハラスメントの問題に関しては、ハラスメント問題のカウンセラーや労働問題に精通した弁護士などと連携して質の高いアフターフォローを行っております。
弊社が提携しているヤマロクコンサルティングファーム代表の有賀 輝富氏は、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)施行前より、ハラスメント被害者の専門的ケア、社会復帰に向けてのサポートに積極的に取り組んできた方です。メンタルケア心理士や個性心理學認定講師など各種カウンセラー資格を取得されていて、強いストレスを受けた方のメンタルケアや一人ひとりの個性に応じた対人関係の課題解決アドバイス等の実績も豊富にお持ちです。
費用の相場は?
料金システムは探偵社によって様々ですが、弊社では、広告費などの無駄な経費を徹底的に削減し、基本料金と調査員の人件費(調査員1名・1時間あたり9,900円)というシンプルで明瞭な料金システムを採用しています。
また、ボイスレコーダーや小型カメラ等の機材のレンタルのみの場合は、比較的安い料金で済むケースも多いです。
費用の総額はご依頼者様の現状やご希望の調査内容によって異なるため、丁寧なカウンセリングを実施した上で見積もりを提示し、ご納得いただいた上でお支払いいただいております。弊社では、上記③のご契約まで、料金は一切いただきません。
弊社で実施した調査や対応の事例
弊社では、過去に「職場で日常的に上司からパワハラを受けているけれど、上司に気づかれずに証拠を押さえるにはどうすればよいか?」「会社でひどい嫌がらせを受けていて、人事部に相談しても対応してもらえず精神的に参ってしまった」などという相談を受けており、様々な案件の調査や対応を行ってきました。具体的な事例を二つご紹介します。(ご依頼者様のプライバシー保護のため、一部の内容を他の事例と差し替えています。)
上司からセクハラを受けていた20代女性の事例
1.相談の概要
最初にご紹介するのは、職場内で腰や太ももを触られるなどのセクハラを何度か受けたことのある上司から複数回食事に誘われていて、毎回断っていたところ、「会社でのきみの立場や将来に関わる重要な話があるから必ず来なさい。来ないなら九州に転勤させるからな」と脅されたという20代の女性からの依頼です。この方の上司は社内で絶大な権力を持つ部長職の男性で、社内の相談窓口に相談しても自分の話を信じてもらえるか自信がなく、どうすればよいかわからないとのことでした。
2.弊社の対応内容
上司の指示に従って食事に行く場合は、弊社の調査員が尾行して同じ店に潜入し、上司に気づかれずに動画撮影をすることが可能だけれど、精神的なダメージが大きい場合は無理して行くべきではないというお話をさせていただいたところ、「客観的な証拠が欲しいので、動画撮影をお願いします。」とのことでしたので、追尾して潜入調査を行いました。 同じ店内に潜入し、カウンター席で上司がご依頼者様の頭を撫でたり、肩に手をまわして自分の方に抱き寄せたりする様子や、ご依頼者様が抵抗すると「きみの立場なんて、俺の力でなんとでもなるんだからな!」と怒鳴る様子を動画に残すことができました。
3.アフターフォロー
その後のご希望をお伺いしたところ、「証拠を掴んでいただいたので法的措置も考えたいけれど、今の職場に残るべきか転職するべきかも含めて、今後どうすればよいのかわからなくて混乱している」とのことでしたので、まずはご依頼者様の気持ちの整理を優先し、ハラスメント問題専門のカウンセラーと連携して、アフターフォローをさせていただきました。
上司からパワハラを受けていた30代男性の事例
1.相談の概要
次にご紹介するのは、上司と会うたびに「会社をやめろ!」「お願いだからここに来るな!」「どっか行ってくれないかな」などと言われているという30代の男性からの依頼です。この男性は、職場の上層部に相談しても「思い過ごしだ」と言われてしまったため、パワハラの加害者である上司に気づかれずに客観的な証拠を掴むことを希望されていました。
2.弊社の対応内容
在職中で日常的にパワハラを受けているとのことでしたので、弊社の調査で利用している高性能のボイスレコーダーと独自に加工した小型カメラの貸し出しを行い、気づかれないように操作する方法をレクチャーさせていただき、その場で何度か練習していただきました。
この男性は、翌週、会社でボイスレコーダーと小型カメラを使用したそうです。その結果、「会社をやめてくれ!」「おまえは本当に使えないやつだな!」などという怒鳴り声がしっかり録音されており、映像には椅子を蹴っ飛ばすなど暴力的な態度が映し出されていました。
3.アフターフォロー
その後のご希望をお伺いしたところ、「客観的な証拠を掴むことができたので法的措置を取りたい」とのことでしたので、労働問題に精通した弁護士との連携により、迅速かつ有利に法的措置を進めるためのアフターフォローをさせていただきました。
まとめ
今回は、ハラスメントの証拠がない場合のリスク、客観的な証拠を集める方法と注意点、適切な相談先、調査のプロに相談するメリット、相談した場合の流れと費用などについて解説しました。
長い時間を過ごす職場でいじめやハラスメントの被害を受けると、うつ病などの精神疾患を発症するなど重大なダメージを負う可能性もあるため、できる限り早めに証拠を確保して問題解決に向けた行動を起こすことはとても大切なことです。
職場でいじめやハラスメントの被害を受けたけれど、決定的な証拠が残っていないため、どこに相談すればよいかわからないという方は、ぜひ弊社にご相談ください。ハラスメント問題に精通したカウンセラーと調査員が、問題解決に向けて、迅速かつ丁寧に対応させていただきます。カウンセリングは無料で行っておりますので、お気軽にご連絡いただければと思います。
ヤマロクコンサルティングファーム代表。
現役エアラインパイロット(機長)。
惨事ストレスケアの資格をはじめ様々な各種カウンセラー資格を保有。
コンサルティングファームを立ち上げカウンセラーとしても活動中。
またハラスメントに関しては、ハラスメント対策法(改正労働施策総合推進法)施行前より、啓蒙活動を始め、被害者の専門的ケア、復帰に向けてのサポートを行なってきた実績がある。
保有資格
・メンタルケア心理士
・CISMピアサポートボランティア
・レジリアントリーダーシップ
・行動心理士
・個性心理學認定講師
・家族問題カウンセラー
など