今回は探偵業界に詳しいライターさんに、当社の若梅調査員の取材として記事作成をお願いしました。

はじめに

この記事は結婚詐欺の最新の手口に関するものです。

結婚を考えている女性の読者へ

彼氏の浮気や身元情報の正確性が心配なだけの人も多いでしょう。
「まさか、結婚詐欺だなんてありえない！」と不愉快に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、お話を詳しく聞いていくと、どれも典型的な結婚詐欺の手法に当てはまっていて、ご本人も急に目が覚めて心配になってくることは多いのです。
例えば次のようなことはないですか？

どうかこの記事を最後まで我慢して読んでください。
「それ、私の場合と同じだ」と思うことがないか、慎重にチェックしてください。

娘の交際が心配な親御さんへ

娘は結婚を考えているらしいが、話を聞いているとどうもおかしい。

そんなお父さん・お母さんにもぜひ読んでほしい記事です。
この記事で得た知識でお子さんの話しを精査することができます。

すでに完全に疑っていて交際をやめさせたい親御さんもいるかもしれません。
しかし、親が「騙されてるのでは？」と反対しても子供は聞きません。
説得には客観的な証拠が有効ですが、それを得るための調査情報も収録しています。

この記事でわかること

若梅氏には以前にも結婚詐欺の手口を教えてもらっていましたが、今回の取材でいろいろ新しい変化が生まれている事を知りました。
この記事では、日々詐欺師と対峙している探偵だからこそ知りうる最新の実態がわかります。

詐欺師の手口の詳細から、生生しい暴言まで収録しています。

出会いの場は結婚相談所からネットに移行

危険なのはビジネス系SNS！手口を完全公開

若梅氏が教えてくれた結婚詐欺師のテクニックをまとめてみました。
よく計算された非常にシステマティックな作業手順です。

１．自分を魅力的に演出する

まずは自分のアカウントの充実です。
知的で高収入な仕事をしており、とても有能。高額ブランドと高級車を愛用。友人も多くて、グルメや海外旅行を思う存分楽しんでいる。
そういう幻想を抱かせる煌びやかな写真をたくさん上げておきます。

２．ターゲットを探す

年齢層は30代後半から40代前半が最も狙い目。
結婚を焦っているが、まだあきらめてはいない年。
独身で恋人がいなく、仕事に真面目で貯金のありそうな人が最適のターゲットです。
同性の友人が少なそうなことも大切な条件。
同性の友人がいれば、相談すれば結婚詐欺の可能性をすぐ指摘されてしまうからです。
SNSの投稿内容を熟読して、詐欺師は落としやすく稼げそうな相手を的確に選定します。

３．フレンドになり、メッセージ交換を続ける

選んだ女性にメッセージを送り、フレンドになります。
その動機は恋愛ではなく、ビジネスを装います。

「仕事の興味が似ていて、有能で誠実そうな方なので投稿が気になっていました。
ビジネス面でお互いにメリットがあると思うので、つながっておきませんか？」
例えばそんな誘いです。

幅広い人脈があるのでいろいろ紹介できるメリットもアピールしておきます。
女性はビジネス目的の誠実なアプローチということで、安心して応じます。
フレンドになった後もビジネスの情報交換などをして仲良くなり、信用させます。

４．実際に会う

まずはビジネス上の理由で実際に会う約束をします。
話が広がり、はずんだところで、別れ際に恋愛の種をまき始めます。

「いやあ、今日は本当に楽しかった。話しててこんなに合う人いないなと思いました。
自分も最近彼女と別れたばかりで・・・いや、余計な事を言いました。すみません。」

さりげなく独身で彼女がいないことを伝えた上で、次回の面会に誘います。
「今度は仕事ではなく、プライベートで会いませんか？相談したいこともあるし。」

５．デートを重ね、親密度を増す

女性が喜ぶ場所に連れて行き、いいお店で食事を奢ります。

いつも身なりがよくて、時計はロレックスなどわかりやすいハイブランド。
話がおもしろいけど、決して下品にならず、常にやさしくて完璧なエスコートぶり。
ドアを開けてあげ、テーブルでは椅子を引いてあげ、荷物は持ちます。

この中でも「休日は女友達と遊びに行ったりするの？」といった話題を振って、同性の友人の少なさを確認したり、収入や貯金もろもろのリサーチを継続します。

６．金を出すかテストする

何回か食事を奢った後、今度は女性に奢らせます。
これは「要求すれば多少のお金は出す心理状態になっているか？」のテストです。

女性の方から「いつも奢ってもらっているので、今日は私が。」などと言いだせばしめたもの。
そうでない時は、現金の持ち合わせがなく、会社の決済用の特殊なクレジットカードしか持っていないといった状況を演出します。

そこで女性が支払えば合格。いよいよ女性のお金の詐取段階に進みます。

渋るようなら、まだ警戒が解けていないということ。
「使えるカードがあった」などと言ってその場は自分で支払い、もう少し時間をかけるなど、戦略を練り直します。

７．女性のお金を絞り取る

テストをクリアした女性に対しては、いよいよ詐欺行為の本格始動です。

一度でも支払うと引き返せなく蟻地獄を、若梅氏が教えてくれた結婚詐欺師の生々しいセリフ入りで再現します。

「女性を人間ATMにする洗脳術」の節をお読みください。

【関連知識】結婚相談所の現状

昔は結婚相談所が結婚詐欺師の根城でしたが、今は激減しました。

最近はセキュリティが非常に厳しくなっていて、身元証明、収入証明などを求められます。そしてすべての情報の辻褄が合っていないと、疑われて登録を拒否されます。高額な会費も必要です。
生半可な結婚詐欺師はもう住めません。ユーザーにとっては以前に比べて大幅に安全になりました。

しかし、若梅氏によれば、この厳しい環境にあえて生息する結婚詐欺師もいるそうです。
そういう奴は、したたかで手ごわい本物のプロです。

【関連知識】マッチングアプリの利用

結婚詐欺師は、ビジネス系SNSとともにマッチングアプリもよく利用しています。
マッチングアプリにも目的や年齢層別にいろいろな種類があります。

30代以上の婚活・真面目な交際にフォーカスしたものが複数あり、そういうサービスを使います。結婚相談所に比べて身元確認が全然緩く、結婚詐欺師には快適な仕事環境です。
スペックを細かく指定して候補者をリストアップできるので、非常に高効率です。

参考動画

当社の公式YouTubeチャンネルです。

女性を人間ATMにする洗脳術

アメとムチのテクニック集

「運命共同体」と錯覚させ、最初の１回を突破

「部下のミスで資金ショートが起きそうで、みんな困っている」
「顧客にも迷惑をかけたくないんだ」
「３週間以内に支払わないと会社がつぶれる」
「金がないのは今だけだ。来月には500万円入る。」
「『俺とおまえは同じ財布』と言ったよな。つまり会社のマイナスはおまえにもマイナスだ。」
「おまえには店を持たせる計画だったのに、それもフイになる。」
「今回、５０万円だけ貸してくれ。来月には返す。」

心からの感謝（アメ）

「あの時の50万円、本当に助かったよ。本当にありがとう！」
「君のおかげで、社員とその家族が笑顔で暮らせてる。」
「そんな正義感のある君が好きだ」

投入済分が回収できないと脅す（ムチ）

「200万入れてくれないと、前回くれた50万円も返せなくなる。」

桁の違う金を言って感覚を麻痺させる（ムチ）

「俺は3000万円投資してるんだぞ。200万円くらいで大げさにしないでくれ。」
「いくらなら出せるんだ？」
（感覚を麻痺させて心理的上限を取り払った上で、物理的上限金額を探る）

人間性の否定（ムチ）

「社員を見殺しにするつもりか？！」
「そんな女だとは思わなかった。」
「思いやりのカケラもないのか？！人間以下の外道が！！」

架空の人物の設定（責任転嫁とムチ）

詐欺師「坪倉（架空の部下）の失敗で危機に陥ったが、おまえのおかげで助かったよ。」
女性「その坪倉って人、能力がないんじゃないの？」
詐欺師「坪倉は時々失敗するけど、会社を立ち上げた時からいっしょで、本当にいい奴なんだよ。」
女性「陰であなたを裏切ってる可能性はないの？」
詐欺師「何だと！おまえ、坪倉のこと、疑ってんのか？！あいつは仲間だし、おまえが幹部になったら部下だぞ！仲間のこと、信じられないのか！」

その後、坪倉から女性にメールが来て、自分のミスをカバーしてくれたことへの感謝を伝えられる。

女性の反省「わたしが馬鹿だった。あの人の親友・盟友を疑ったりして。ごめんなさい。そうね。坪倉さんは一緒に生きていく仲間。大切にしなきゃ。」

女性は坪倉に対する思考で頭がくたくたに疲労する。
しかし、坪倉という人物も、会社も、事業も最初から実在しない。

タワマン（高層マンション）の内覧会行く（アメ）

女性「うわぁ、こんな家に本当に住めるの？」
詐欺師「君なら、これくらいの暮らしをして当たり前だよ。」
女性「お金はどうするの？」
詐欺師「6,000万円のローンは俺が組む。心配しないで。」

家具を買う（アメと再び出金）

詐欺師「家のローンは俺が払うから、家具代200万円だけお願いできるかな？」
女性「いいわよ、もちろん。」
詐欺師「このカタログから選んで。実際の購入は安く買える先を知ってるので任せて。」
女性「わかった。」
詐欺師「じゃあ、月末までに購入商品のリストアップと２００万円振り込みをよろしく。」

女性「家具はいつ納品されるの？あれから何カ月も経ってるけど。」
詐欺師「海外のメーカーだから時間はかかるのが普通だよ。」

しかし、２００万円は詐欺師の懐に入り、おそらくもう消費されている。

探偵だけが知る詐欺師と被害者の実像

結婚詐欺師の実像

被害者の実像

被害者の実像

探偵はどんな調査をしてくれるのか？

結婚詐欺調査の依頼状況

探偵の調査内容

主だった調査手法は下記の３つです。必要に応じて聞き込み調査などを加えることも可能です。

1．住所調査

依頼者から名前、住所など、相手の情報でわかっている事を全部聞き出します。
それをまず住所調査にかけます。
本名で住所調査に引っ掛かるようなら、プロではありません。
アマチュアレベルの詐欺師か、お金にだらしない一般人です。

プロは偽名を使い、住所も何もかも嘘です。一部でも手がかりになる真実は残しません。

2．行動調査（尾行＆撮影）

住所調査に引っ掛からない場合は、行動調査です。

氏名や住所がウソの段階でもうクロ確定ですが、依頼者としてはもう少し調べてからシロクロつけてほしいものです。
また、探偵としても重要情報が追加で得られることが多く、行動調査は有用です。

やり方としては、依頼者に「お金を渡したい」等の口実で調査対象に会ってもらいます。
接触場所で探偵が張込みます。
依頼者と別れた詐欺師を探偵が尾行し、住所を突き止めます。
そこから多角的調査を行い、氏名等の情報を辿ります。

住所さえわかれば、後日改めて行動調査をかけて深掘りすることも可能になります。
勤務先はたいてい嘘で、無職の場合が多いです。
もしくは「大手のA社」のはずが、A社の孫会社の零細企業だったりします。

本命の女性と同居している場合もあり、既婚者、さらには子供がいる場合もあります。
この女性は共犯者の可能性もあるし、男性の仕事を明確に知らない場合もあります。
しかし、共犯者であっても、問い詰められた時は「知らなかった」と答えます。
女性との同居の事実は、結婚話が嘘だったことの証拠にもなります。
もっとも詐欺師は決まって「妻とは離婚して被害者と結婚しようと思っていたので、詐欺ではない。」と言い訳するのですが。

自宅以外の場所で、女性との面会が確認される場合もあります。
この女性は共犯の場合もあれば、別の被害者である可能性もあります。
ホテルに行けば、これも被害者と結婚するつもりがなかったことの傍証になります。

詐欺師ともう連絡が取れない場合は、この行動調査もできません。
それはお金を絞り切ったので被害者を捨てたか、危険を察知して離れたということです。
何の手掛かりもなく、巧妙に逃げ回る相手を捕捉するのは非常に困難です。
失踪人捜索に慣れている探偵でも大変な費用と時間がかかります。
現実的ではないので、このような場合、まずは警察に被害届を出すことをお勧めしています。

3．資金使途調査

何かの用途でお金を要求してもらったのに、お金をその用途に使っていない。

探偵の役割としては、ギャンブル通いや本命愛人との豪勢な生活など、普段の浪費生活を記録しておくことが基本になります。

運よく使途の虚偽をつかめるチャンスが来た時は、逃さず証拠取りします。
たとえば「お前の金で高級車を買った。今、乗ってるよ。」と連絡してきたのに、軽自動車に乗っている場合。
あるいは「沖縄におまえと暮らすマンションを買いにいくよ。」と連絡してきたのに、全然違う行き先に本命愛人と一緒に出掛けている、といった場合です。
すべてのお金にこういう裏取りができるわけではないですが、可能な限りやります。

警察による詐欺罪としての立件の場合、婚約が嘘だったというよりも、借りる理由が嘘だったということが立件の決め手になりますので、言われていた資金使途と実際の使い道が違うというのは、重要です。

4．調査報告

以上のような調査結果は、漏らさず調査報告書にまとめられ、結果報告で説明されます。
報告書と写真、場合により動画のファイルが入ったデータも一緒に納品されます。

報告書とデータは弁護士が返金交渉をする際の有力な材料になります。
警察への被害届も、証拠が伴っていることでスムーズに受け付けてもらえます。

被害者はどう救われるのか？

お金の回収と警察への被害届

自分で返金の示談交渉をする

示談は、法律的には弁護士を立てても立てなくてもできます。
ただ、簡単に返金に応じてくれるものでないことは肝に銘じておいてください。

残念ながら探偵は助けてあげられません。
探偵の仕事は証拠を揃えてあげるところまでです。
交渉を代理したり、交渉の場に同席すると非弁行為（無資格で弁護士の独占業務をやること）になってしまうのです。

弁護士に返金交渉をしてもらう

お金を取り返してもらいたいのなら、やはり弁護士に頼むのがベストです。
詐欺問題に強く、交渉力のある弁護士にお願いすることが大切です。そういう弁護士は、詐欺師が嫌がることもよく知っています。

法律と探偵が揃えた証拠を駆使して、刑事処罰にも触れつつ詐欺師が応じざるを得ないような方向にもっていってくれます。
弁護士がこの交渉に使えるカード（情報）をいかに豊富に揃えられるかが、探偵の腕の見せ所です。

警察に被害届を出す

逮捕・処罰を望むなら、警察に被害届を出すことです。
証拠が十分なら刑事告訴の形で受理してもらえるかもしれません。
被害届と違って捜査義務が発生するので、その方がベターです。

加害者の氏名や住所が不明だと、なかなか被害届を受け付けてもらえません。

逆に住所氏名が分かる場合、警察が照会をかけて同種の前科が発覚するというような場合もあります。
また、それががわかっていても、詐欺の証拠がないと受理されても捜査は望めないでしょう。警察には「民事不介入」といって、民間のもめ事に首を突っ込まないルールがあります。
「詐欺だ」と訴えても、ただの借金トラブルの可能性もあり、警察には判断できません。
一方の言い分だけを聞くわけにはいかないので、証拠が大事なのです。
このように警察に動いてもらう上でも、探偵の調査が役に立つということです。

ただし、返金を希望するなら、警察への届出をするタイミングには、慎重になった方がいいと思います。
逮捕されると、詐欺師が身動きが取れなくなり、実刑になれば、そのまま刑務所で服役することになってしまうので、お金を取り返せる可能性が下がってしまう可能性もあります。

詐欺師は全被害者に賠償できるようなお金は絶対持っていません。
中には「お金はもうどうでもいい。絶対許せないので、逮捕してほしい！」と警察への届出を優先する人もいます。
しかし、大半の人は返金を希望するので、この点は気をつけましょう。

むすび

【関連知識】公正証書について

法務省・法務局所管の公的機関「公証人役場」で作成してもらえる法的な公文書。
公証人役場は普通、県庁所在地の中心部にある。
公正証書は、裁判所の判決文と同程度の効力を持つ強力な書類。
これがあると、即座に差し押さえができる。
同類の書類がないと、回収に裁判が必要になり、仮差押えだけでも裁判所への申し立て、債権者面接での疎明、担保金の供託など一大プロジェクトになってしまう。
身近な例では、公正証書は養育費の確実な回収に用いられている。
作成費用は債権額で変わるが、数百万円の被害なら数万円程度。

最後に

いかがでしたか？

不審な点が見つかったら、MJリサーチに相談することをお薦めします。
実は結婚詐欺の調査経験がある探偵は数少ないです。一般的には探偵の仕事の大半は浮気調査で、浮気調査しか経験のない探偵がほとんどです。
しかし、MJリサーチは結婚詐欺調査に豊富な経験を持つ数少ないエキスパートの探偵社です。この記事を読んだ方には、そのことを納得していただけたはずです。